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このページでは「蔵元だより」より
毎回、お酒に関するさまざまな話題や最新情報をご提供してまいります。
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「三寒四温」 |
二月も下旬ともなれば、漸く春の気配を感じるここ加賀地方ですが、今年の冬は雪が少なかったものの低温が続き、酒屋者に取って酒造りには、有難い気候です。先日二十五日には第二回目の大吟醸搾りが始まって再び芳醇な香りが蔵中に充満し、残り一ヶ月間、杜氏さん、蔵人さんの奮闘する仕込が続いて行きます。今期の仕込終盤には、本格山廃本醸を初めて手掛ける事とし、この秋には、熟成された旨酒となって皆様方のお手元にお届け出来るものと思います。 三月の声を聞くと同時に、各地で新酒きき酒会が開催され、私共も飛び回りますが、他社の立派なお酒も拝見出来て、大変参考になります。「酒屋万流」と呼ばれる言葉がある通り、全国には、それぞれ個性溢れるお酒があって、地方の料理を盛り立てておりますが、取り分け北陸の食材は見事であり、加賀の地酒とのハーモニーが、訪れる旅人の心の癒しとなれば、酒屋者にとってこの上ない喜びとなります。 やがて三寒四温を繰り返しながら、輝く陽春を皆様方と共に迎えたいと思っております。 さかずきにまずうち笑う花の香 |
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大吟醸袋搾りの風景 |
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ちょっといっぷく拝見 |
「石ばしる垂水の上のさわらびの 萌え出づる春になりにけるかも」 (万葉集巻八 志貴皇子) 春の気配の中に万物の始まりを予感させて希望に満ちたこの歌は私の大好きな歌です。早春のこの季節では身の回りの様々の現象の中に自然の美しさ、偉大さを知らされることが特に多いことに驚かされます。 酒造りを生業とする、私共と致しましては中でも水の有難さを特別に感じ入る季節なのです。 今年も杜氏さん、蔵人さんたちのゆるぎない努力のお陰で、おいしい新酒が出来上がり、その一滴を味わう時『石ばしる・・・』のこの歌が自然の恵の水の有難さを知らせてくれて、思わず「いただきます」と感激の一言がこぼれてくるのです。 |
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三月(弥生)の暦 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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