このページでは「蔵元だより」より
毎回、お酒に関するさまざまな話題や最新情報をご提供してまいります。

◆1月のニュース

日本の酒の楽しみ方

一月(睦月)の暦

イベント
限定商品
お正月は常きげんのお燗酒で!
甘酒
お屠蘇
酒の造りは”寒造り”?
 
蔵元だよりバックナンバー


二〇〇五年の新春を寿ぎ謹んでお慶びを申し上げます。
本年もかわらぬご愛顧を宜しくお願い致します。

日本酒の楽しみ方
   
〇四年は異常気象や災害の多いまさに天変地異の連続の一年であり、世界の人々が苦しめられ、日本の景気動向においても、政府ばかりが好況を誇大化し、一部の企業を除いて、殆どが現状あるいは不況感が漂いました。翻って〇五年の新春からはこれを覆す勢いで、すばらしい年にしたいと思っております。私共の酒造りも順調に進み、十二月二十八日、第一回目大吟醸仕込を終了、引き続き純米酒や山廃仕込を農口杜氏以下元気な若者達が作業に励んでおります。一月二十日の大寒の頃には第二回目大吟醸仕込も控えております。
 懸案でありました日本酒に合わせて飲むおいしい水の愛称も「和らぎ水」と決定し、穏やかな酔い心地と爽やかな酔いざめの効果を広く奨め、合わせて各イベントでのパーティにおける乾杯は、まず初めに日本酒で行って頂き、お燗酒の良さや楽しみ方も伝えて参ります。古来より千年以上も飲まれ続けてきた米から造ったお酒は、最良の美容と健康の百薬の長であり、一日二合までの旨い晩酌はその効果をフルに発揮し、日本酒のそばにはいつもおいしい「和らぎ水」があればその楽しみが倍増すると思います。
 今、日本酒で乾杯がナウい!今年も常きげんで乾杯!!

櫂入作業
蒸米の取り出し作業




一月(睦月)の暦

   
一日 元旦・初詣・年賀 十一日
学校始業・鏡開き
二日 書初め・皇居一般参賀 十五日 小正月・左義長
四日 官庁御用始め 二十日 大寒
五日 小寒 二十六日 文化財防火デー
七日 七草 二十七日 国旗制定記念日
十日 成人の日    



イベント
   
●一日 ニューイヤー片山津温泉花火大会(午前零時)
●二日 新春走り初め三社詣マラソン(加賀市役所前)
●五日 初荷行事・仕事始め(弊社)
・酒類業生販三層互礼会
●九日 大相撲初場所(両国国技館)、
加賀市消防出初式
●十四日 小松酒造組合定例会(小松商工会議所)
●十五日 八日市町左義長・新年会
●十六日頃 第一回目大吟もろみ搾り開始
●十七日 金沢地域酒類業新年互礼会
(KKRホテル金沢)
●十八日 いしかわ産品会(金沢・六華苑)
●二十日 第二回目大吟仕込開始(弊社)
※その他県外デパートにて加賀物産展へ弊社出展中


季節限定商品 無濾過生原酒 【予約受付開始】
   
今年も仕込が始まり、十二月中旬頃より恒例の無濾過生原酒を順次出荷させて頂く事になりました。本年度もご予約頂きました本数の商品を準備させて頂く予定にしております。ご予約はお早めにお願い致します。
@本醸造 蔵出し生原酒
(発売中)
1.8L 2,940円(税込)
720ML 1,470円(税込)
A山廃純米 無濾過生原酒
(1月10日〜12日頃出荷予定)
1.8L 3,465円(税込)
720ML 1,732円(税込)
B山廃吟醸 無濾過生原酒
(1月末頃〜2月上旬頃出荷予定)
1.8L 4,200円(税込)
720ML 2,100円(税込)
C山廃純米吟醸 無濾過生原酒
(2月下旬頃〜3月上旬頃出荷予定)
1.8L 4,725円(税込)
720ML 2,362円(税込)


お正月は常きげんのお燗酒で!
   
おいしい常きげんのそばにはいつもおいしい水がある。

【常きげん蔵元では、爽やかな酔心地を楽しめるよう、お冷や(和らぎ水)運動を奨めております。】

   

味・大吟醸(税込)
1.8L(箱入) 5,250円
1.8L(箱無) 5,000円
山廃純米(税込)
1.8L 2,940円
720ML 1,470円
 
山廃本醸造・加賀州(税込)
1.8L 2,310円
720ML 1,155円
 


甘酒
 
寒〜い冬、温かいこたつに入って、甘くて美味しい甘酒を飲んで、身も心もあっためてください。

【材料】
常きげん酒粕:500g、水:2.2L、
砂糖:325g、はちみつ:50g、塩:4g、しょうがしぼり汁:適量
※約十人分の材料です。人数に合わせて増減下さい。

【作り方】
常きげん酒粕を水で加熱しながら溶かし、粕が溶けてきたら砂糖・はちみつ・塩を加える。最後にしょうがのしぼり汁を適量入れたら出来上がり。
 


お屠蘇
   
元日の朝に、家族揃って東の方向を向き、年少者から年長者へと順に盃を回す。これがお屠蘇をいただく作法なのだそう。
このお屠蘇の由来には諸説があり、仙人が考案したといった説もあるが、現在最も有力とされているのは、中国の名医が一年の邪気を払うために作り、配ったのがはじまりというもの。「屠」はほふる、「蘇」は悪鬼の意味で、「悪鬼を屠絶し、人魂を蘇生させる」という意味を持つ。又昔は、屠蘇を入れた赤い袋を大晦日の夜に井戸の内側に吊るしておき、元日の朝に取り出して酒に漬け込んで飲んだら、最後はまた井戸に袋の中身を投げ入れる習慣だったという。現在は白じゅつ(利尿・健胃・鎮痛作用)、山椒(健胃・抗菌作用)、桔梗(鎮咳去啖・鎮静・鎮痛作用)、肉桂(健胃・発汗・解熱・鎮痛作用)、防風(発汗・解熱・抗炎症作用)の五種類の漢方薬が調合されたものが主流で、これらは胃腸の働きを整え、のどや気管支を守るものが主。風の予防にも効果が期待できる。今では薬局などで手軽に手に入るので、今度の正月にはぜひ飲んでおきたい。



酒の造りは”寒造り”?
   
今年は十二月に入っても十度後半の暖かい気温の日が続いたりと、稀にみる暖冬です。最近、ようやく冬らしくなってきましたが、酒造りにおいてどんな影響があるのでしょうか。
農口杜氏さんや蔵人さん達にお話を伺ったところ、まず暖かいと空気中の細菌が多くなります。そうすると例えば、洗米→浸漬→蒸米という作業段階時、空気中の細菌が多いことでお米が細菌に侵され、蒸しあがった際赤いお米ができたりするそうです。ちなみに昔は木桶での作業だった為、細菌が木桶につきやすく、蒸し上がったお米がまるで赤飯のようになったこともあるそうです。他にはこうじ造りの作業でお米を水に溶かすのですが、暖かいとお米が溶けやすくなり、そうなると出来上がったお酒の味が「雑っぽく」なってしまうそうです。また暖冬とは関係ないのですが、その他にも困った事が発生しました。近年の科学技術の発達のせいか、消毒薬の効きすぎで、「山廃仕込」に使用する菌が全くいなくなってしまったのです。しかしながらこれは、水をわざと菌が発生しそうな所に置いて菌を呼びつけ、事なきを得ました。なんだかもうもう、菌には振りまわされっ放しの日々なのではありますが、『わしらは酒の菌によって拘束されとるから』というのは杜氏さんのお言葉です。普通の仕事のように何時にこれをしてご飯を食べて、何時には仕事が終わる、といったような事はなく、常に「菌」の動きに神経を集中させ、必要あらば昼日中・夜中であろうがご飯を抜いてでも仕事をしなければならない。「菌」は生き物であり刻一刻変化するもの、『菌に合わせてあげんと、良い酒はできんのや。菌の為に良い環境を作ってあげなぁ、いかんのや。(杜氏談)』要は子育てと同じ、というところから最近の子育てについても熱く語っておられました。素敵な杜氏さんです。
いろいろと大変な日々が続く毎日ですが、杜氏さんも蔵人さん達も毎日毎日心を込めてお酒を造っています。気候条件やお米の質も確かに大切とは思いますが、まずは何を置いても造り手さん達の"心"が重要なのではないかな、と思います。(素人意見で申し訳ないですが・・・)なので本年度もきっと、少しでも多くの方々に美味しいお酒を召し上がって頂けるように、美味しい美味しいお酒を育て上げて下さることと思います。
冬の入り口から桜の花が咲く春まで、寝食を共にする杜氏さん・蔵人さん達のまるで家族のようなあったかい雰囲気の中で、大変大変良いお話を聞くことができました。

これから美味しいお酒になります こうじ造りの作業風景